唾液のパワー✨

こんにちは!
仙台市かさはら歯科医院
歯科衛生士の佐藤です!

お盆も過ぎて、朝夕はだいぶ過ごしやすくなってきましたね🍉🌻

ようやくクーラーなしでぐっすり眠れる夜が増えてきました😊

今回は『唾液の働き』についてお話しさせて
頂きたいと思います!


お口の中には唾液(だえき)とよばれる液体が出ています。お口の中に唾液が出ていることが正常な状態ですから、普段意識することはあまりないと思います。

唾液が”食べる”という行為に関連することは、想像しやすいと思います。例えば、食べ物を目の前にすれば、たくさん出てきて食欲が増してきますし、場合によっては想像するだけでも出てきます。

しかし、唾液の量が減り、口が渇くと食事のとき食べ物を飲み込みにくくなります。

このことから、唾液の働きは食べ物を飲み込む時にスムーズに流すために潤滑剤の様な働きをしてくれていることがわかると思います。

これはひとつの例ですが、唾液の働きには他にも様々な役割があります。

唾液は口の中をうるおすだけでなく、口内の細菌の増殖を抑え、口臭、虫歯、歯周病など
さまざまなトラブルから私たちを守っています。

唾液は、99%以上が水分、残りの1%ほどに抗菌、免疫、消化などに関わる重要な成分を 含みます。


そこで唾液の担っている役割と、唾液が減少した時に起こりうることとその対策について解説します。



まず、唾液の8つの働きです。

①消化作用→ 酵素アミラーゼがデンプンを分解し消化しやすくする。

②粘膜修復・保護作用→ 粘性のあるムチンが粘膜を保護し、発声をスムーズにする。上皮成長因子と神経成長因子が傷を治す。
 
③自浄作用→歯や歯間に付着した食べかすやプラーク(歯垢)を洗い流す。
 
④殺菌・抗菌作用→ 抗菌作用をもつ成分が口の中の細菌の増殖を抑える。
 
⑤緩衝作用→ 飲食により酸性に傾いた口内のpHを中和させ虫歯を防ぐ。
 
⑥再石灰化作用→ 飲食により溶けかかった歯の表面を修復し虫歯を防ぐ。
 
⑦排出作用→異物などを体から排除しようとする働き

⑧溶解、凝集作用→ 味を感じさせ、噛み砕いたり飲み込んだりしやすい塊にする。

など、様々な働きをしています!😊



唾液は耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つの大唾液腺と、舌や口蓋などの粘膜面に多数存在する小唾液腺から分泌されます。

通常、健康な成人は、1日あたり平均1.0~1.5L(大きなペットボトル1本くらい)もの唾液を分泌しています。

唾液の分泌は、一般的に夜になると減少します。
このとき、唾液の作用とその機能も低下するため、口内の細菌は増殖します。

そのため、夜寝る前と朝起きてすぐのケアは特に重要なのです🪥

また、加齢的な影響を受けやすい性質があり、30代をピークにして減少し始めます。

70代にはピーク時の3割ほどにまで減少してしまいます。また、唾液の分泌量は、時間により変化します。食事中は増えますが、睡眠中は減少する傾向にあります。

また、精神的な影響を過分に受ける傾向もあり、例えば、緊張すれば唾液の量は減少して口が渇いてきますし、酸っぱいものを目の前にしなくても想像するだけで唾液は出てきます。

加齢や精神的なことの他に、以下の要因が唾液分泌の減少を引き起こすと言われています。

・薬の副作用
・ストレス
・口呼吸
・糖尿病
・放射線治療
・透析
・寝たきり
・不規則な生活
・喫煙
・シェーグレン症候群
・口腔乾燥症
・アルコールや院主

などです。


唾液の分泌量が減ると、口の中が乾燥し、食べ物が飲み込みづらくなる、口の中がネバネバする、 口臭がきつくなる、話しにくくなるなどの不快感が慢性的に続くことがあります。

唾液の分泌不足によって、唾液が本来果たしている自浄作用が働かず、口臭、舌痛、口内痛の原因になったり、 カンジダ菌による口内炎、虫歯や歯周病などにかかりやすくなる場合もあります。

そこで、唾液を増やすためにできることを
お話ししていきたいと思います。

【水分補給】
唾液は体内の水分量と関連しています。からだの中の水分が減少していますと、それに伴い唾液も減ってしまいます。

喉が渇いたと思えば、水分不足のサインかもしれません。水分を補給し、お口の乾燥を防ぎましょう。

【ガムを噛む】

噛むという行為は、唾液腺を刺激し、唾液の放出を促進します。ガムを噛むことも唾液を出すために有効な方法です。ガムを噛むことで唾液腺を刺激し、唾液を出しやすくしましょう。

【食事の時にしっかりと噛む】

食事の時に、かたちのあるものをしっかりと噛むことも大切です。少し噛んで飲み物で流して飲み込んでしまうことはよくありません。
できるだけゆっくりと回数を重ねて噛むようにしましょう。噛むことの副次的効果として、満腹中枢の刺激があります。しっかりと噛めば、満腹中枢が刺激されて、食べ過ぎを防ぐ効果も期待出来ます。

【舌を動かす】

舌を動かすと、舌の下にある舌下腺や顎下腺という唾液腺が刺激されますので唾液が出てきやすくなります。
そこで『あいうべ体操』という舌を動かす体操をすることで、唾液腺を刺激して唾液を出しやすくしましょう。
この体操は、非常に簡単です。まず、なるべく大きくお口を開けて「あ〜」といいます。そして、お口を横に引っ張るイメージで「いー」といいます。続いて、お口を出来るだけ前にとがらせて「う〜」といい、最後に舌を可能な限り前にピンと伸ばしまして「べ〜」とするだけです。『あいうべ体操』はさほど難しい体操ではありませんし、道具も必要ではありません。是非試してみてください。

【唾液腺マッサージ】

唾液を作る唾液腺は、舌の下、顎の下、耳の下に左右で対になり存在しています。
それぞれ舌下腺、顎下腺、耳下腺といいます。こうした唾液腺をマッサージをして刺激することも効果的です。具体的には、耳の下や顎の下をおや指で円を描くようにマッサージします。すると、唾液腺が適度に刺激されて唾液が出やすくなります。あくまでも痛くない程度でしてください。

【酸っぱいものを連想する】
過去に酸っぱいものを食べたとき、その味覚を覚えていることによる反射行動で、レモンや梅干しを連想するだけでも、唾液が出るということがわかっています。


簡単に実践できるのでぜひ日常で取り入れてみてくださいね🦷✨