歯周病と認知症

こんにちは✨歯科衛生士の畑山です☺️

今回は歯周病と認知症についてお話しします!

歯周病は基本的にグラム陰性嫌気性菌によるものであり、PG菌などの歯周病菌に気がつかないうちに感染し、気がつけば歯が動揺したり、口臭がしたり、膿がでたりします。気がつかないうちにゆっくり進行するので、サイレントディジーズとも言われます。

歯周病原因菌の代表にPorphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス ジンジバリス、以下P.g)という細菌がいます。P.g菌は内毒素やジンジパインというタンパク質分解酵素を産生します。P.g菌は酸素が嫌いなので、歯周組織内部に潜り込み、このタンパク質分解酵素が、歯槽骨などの歯周組織を破壊し、歯周病を進行させ、歯がぐらぐらするのです。さらに歯肉毛細血管の血管内皮細胞を破壊し、全身にPG菌は血流に乗って移動することが分かっています。

歯周病は糖尿病、低体重児早産、心筋梗塞、誤嚥生肺炎などと関連があると言われていますが、アルツハイマー型認知症との関係性も分かってきました。アルツハイマー型認知症の検体者の脳内からP.g菌が発見されています。

ヒトの脳内でも歯周病菌のジンジパインが脳の海馬の神経細胞を変性させてアルツハイマー型認知症を発症させることが分かってきています。まもなく発表される新開発のジンジパインインヒビター(阻害薬)によりアルツハイマー病の進行を遅らせる治療の可能性が示唆されています。重度の歯周炎病患者さんは、多量のP.g菌により、マクロファージから多量のアミロイド沈着をさせているようです。誰もが認知症になるということではありませんが、やはり普段からの口腔ケアが他の全身疾患の予防という観点からもきわめて重要です。

かかりつけ歯科衛生士によるプレフェッショナルケアを毎月受けることで歯周病菌の細菌数を減らすことができます。しかし残念ながら特定の細菌を完全にゼロにすること、または口腔内細菌の菌相を変えることは現在ではまた難しいです。

歯周病治療直後は大幅に細菌数は減りますが、2ヶ月以内にはまた増加します。このことから、細菌数を低いレベルで維持するためにかかりつけ歯科衛生士によるプロフェッショナルケアが定期的にうけていただく必要があります。お口のベト~とした歯の表面のプラークは、マイクロバイアルシフトといって細菌同士が病原性を高め合っている状態になっていることが多く、あなたを認知症にさせるかもしれません。