大人の虫歯に注意

明けましておめでとうございます。歯科医師の仲西です。

そろそろ正月休みのブランクも抜けて、通常の生活に戻りつつありますが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

今年も地域の皆さんに貢献できるように身を引き締めて頑張りたいと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

 

さて今回は大人の虫歯についてですが、

年齢が積み重なるにつれてなりやすくなる虫歯はどこかご存じでしょうか。

 

そもそも、以前歯を失う原因の一位は「歯周病」だと書きましたが、年齢によって順位は変わってきます。

8020推進財団が行った「永久歯の抜歯原因調査」によると、40歳代の抜歯原因の一位は「虫歯」となっています。

男女差もあるのですが50歳前後までは虫歯が一位で、それからは年齢が上がるにつれて歯周病が逆転して一位になります。

(歯を抜く本数は65~69歳の方が最も多いので、平均すると歯を失う原因の一位は歯周病になります)

 

ですから20代から50代の方は歯を失わないためにも虫歯に注意することはとくに重要です。

子供の時は学校検診などで早めに虫歯を見つけてもらい治療してもらうことが多かったと思いますが、

大人になると歯科検診の場も無くなり、虫歯ができたとしても痛くなければ放置してしまいます。

 

しかし大人の虫歯は進行が早く、痛みが出てしまっては手遅れに、、といった場合も多いのです。

最初の問いに戻りますが、大人の虫歯はどこにできやすいと思いますか。

それは歯の根っこ(歯根)や、一度直したところの再虫歯です。

「歯根」は歯が生えたての子供のときは歯肉の中に隠れているのでみえないのですが、

大人になり歯周病や歯肉が下がってくると歯根が露出してきます。

 

歯根は先細りしているので、見えてくれば見えてくるほど歯と歯の間は隙間があいてきて食べかすが詰まりやすくなります。

歯根はもともと歯の中でも弱い部分で虫歯になりやすいです。

ですから、ものが詰まりやすくなりますと虫歯のリスクが急に上がりますので、すぐ虫歯になってしまいます。

 

それから再虫歯ですが、

一度歯を治したところは治療前より虫歯になりやすくなります。

被せ物や詰め物など、どんなに精密に作ってもミクロな段差ができてしまいます。

また、最初はピッタリつくったとしても、歯ぐきが下がってしまうと段差が露出したりすることもあり、歯ブラシが行く届かないそのような隙間は虫歯のリスクが大きくなります。

こまめにメインテナンスをしていないとそういったところから虫歯になっていきます。

またそういった虫歯は痛くないことも多いです。

どんな病気もそうですが、病状が悪いからといって必ず痛いわけではないのです。

痛みが出た時は手遅れになってしまうこともありますので、年度が変わって新しい気持ちで、検診とメンテナンスはいかがでしょうか。