歯周病は予防できるのか part3

こんにちは。歯科医師の仲西です。

最近でもまだ夏のような暑さが残っており

暦上は秋にもかかわらず、秋らしくない日々が続いております。

食べ物は栗や梨など秋のものが増えてきて楽しんでおりますが

もう少し秋らしさが欲しいと思う今日この頃です。

 

さて先日はブログにて、歯周病は様々なものや病気と関係していると書きました。

まずは歯周病の原因は「細菌性のプラーク」です。

それが唾液や血液の成分の、カルシウムやリンなど無機成分を取り込むことによって固くなり

「歯石」になります。

 

プラークはバイ菌のかたまりであり、それが出す毒素などが歯肉に為害作用を及ぼしたり

歯石も表面のザラザラが歯肉にダメージを起こしたり、

またザラザラしているためにバイ菌をさらにくっ付きやすくなるなど

それぞれ歯肉に炎症を起こしていきます。

 

単純に言えば、プラークを毎日完全に無くすことができれば歯周病にかからないと言えるかもしれません。

ですが、プラークを100%除去するということが容易ではありません。

 

まずプラークは水垢に例えられることがあるのですが、水流に抵抗しブラシなどで物理的に除去するしかありません。

そしてプラークは唾液の洗浄作用が届かないところに多く付着します。

またそういうところは大体磨きにくいです。

例えば歯と歯肉の境目や、歯と歯の間の隙間、銀歯や被せ物などの境目のミクロな段差、隣の歯と歯の接しているコンタクト部、物がつまり易いところなどです。

こういったところはそもそも磨く意識の薄いところでもあり、または歯ブラシでは届かないところでもあります。

とある実験によると完璧に歯ブラシをしているような人でも50%しか磨けていないというデータもあります。

その不足を補うために歯間ブラシやデンタルフロスがあります。

 

また歯石に変わってしまうとその名の通り石のようになってしまい歯ブラシでは取れません。

これは歯医者で使うような器具や超音波でしかとれません。

さらに歯石は増えてくると歯肉の中に溜まっていき取りにくくなります。

ご自分でどのくらい歯石が付いているかを把握できないことと、それが付着していてもご自分では除去できないことから、歯医者でのクリーニングがなぜ必要なのかお分かりになるかと思います。

 

結果的に申し上げれば、歯周病にならないようにすることは理論上可能である

しかしそれは容易ではないといえるでしょう。

ですが、そのことはご自分のためであり、長くご自分の歯で噛むためには必要なことです。

またメンテナンスにお越しになる人は歯が腫れたり傷んだりしにくいということも言えます。

そのためにできるお手伝いをさせて頂ければと思います。

なにかご不明なことなどありましたらなんでも教えてください。