虫歯以外の歯の病気

 

みなさん、こんにちは!

歯科医師の秋葉です。

 

今回のテーマは、「虫歯以外の歯の病気」です🦷

 

虫歯とは、ミュータンスレンサ球菌などの細菌によって産生される酸が歯を溶かしてしまった状態です。

そういう意味では、虫歯もひとつの感染症と捉えることができます。

 

しかし、歯が溶けてしまったり、歯の根っこが割れてしまったりといった現象は、必ずしも細菌だけが原因とは限らないのです!

 

今回のブログではその代表的なものを3つ紹介します。

 

 

1.くさび状欠損(WSD)

 

歯の根本が露出しており、くさびの形に歯が欠けてしまっている状態です。

それによって知覚過敏症状を引き起こしてしまうことが多いです。

 

この状態を引き起こす原因として、まず誤ったブラッシング方法が挙げられます。

過度な力による歯ブラシの横磨きと、研磨剤が含まれている歯磨き粉の使い過ぎが考えられます。

 

 

二つめの原因として考えられているのが、強い咬合力です。

 

噛み合わせが強かったり、噛み合わせ異常によって力の加わった部位に対応する特定の部位に応力が集中し、エナメル質および象牙質が破壊されて欠損が生じると考えられています。

 

知覚過敏症状が強い場合には、虫歯治療にも用いられるコンポジットレジンで修復することで、刺激を遮断することができます!

 

2.摩耗症

 

くさび状欠損と似た状態ですが、その原因が、歯と歯以外のものが接触して擦れることによって起きるものの総称です。

 

研磨性の強い歯磨き粉やパイプの常用などによる「習慣性摩耗」と、

ガラス職人さん、大工さん、靴工さん、美容師さんわ管楽器奏者などの、業務内容に必要な道具を特定の歯により保持することによって生じる「職業性摩耗」とがあります。

 

こちらもくさび状欠損と同様に、症状がある場合はコンポジットレジン修復が適応できます。

 

 

3.酸蝕症

 

酸の作用により歯が溶けてしまった状態のうち、細菌以外のものが原因のものを指します。

 

過去には、職業的なものが原因となり、塩酸や硝酸などの強い無機酸を取り扱う従事者の歯によく見られましたが、これらは防御を徹底することによりほとんど見られなくなりました。

 

最近では、酸性のスポーツ飲料や、お酢などの健康飲料や健康食品、酸性食品の多量摂取によるものが増えてきています!

 

たとえ砂糖不使用の飲み物であっても、クエン酸が含まれているジュースやスポーツ飲料は多く、だらだらと飲むことには注意が必要です。

 

まれではありますが、ストレスや妊娠による嘔吐の繰り返し、逆流性食道炎により起きることもあります。(胃酸の主成分は、塩酸です!)

 

治療としては、まずは原因を取り除くことが必要です。

それからフッ素を利用した再石灰化療法や、コンポジットレジン修復を行う場合が多いです。

 

 

いかがでしたか?

 

虫歯以外にも、歯が溶けてしまったり欠けてしまう原因は色々あるのです。

 

心当たりのある方は、普段の習慣や生活に気をつけてみてくださいね!