口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日は抜髄についての引用からです。

抜髄処置とは、歯牙の内部に存在する歯髄を取り去る医療行為のことである。抜髄処置は歯内療法学がカバーする施術の1つで、歯科臨床においてこの処置を行う頻度は低くない。俗に言う、「歯の神経」を除去することであり、齲蝕症や歯周疾患、その他の便宜的な理由から行われることも多い。歯髄のある歯牙のことを一般的に「生活歯」と言い、抜髄処置を行った歯牙のことを「失活歯」と言う。

方法

歯髄への穿孔が終わったら、髄室に存在する歯髄の除去と同時に天蓋の除去を確実に行う。髄角部では天蓋の取り残しがないよう注意する。有鉤短針などを使用すると、天蓋の取り残しは容易に発見できる。その後、複数根ある場合は歯髄の取り残しが無いように気をつけ、根管口を発見し、根尖部までの歯髄の除去に努める。この時に歯髄の取り残しがあると、残髄炎などの不快症状につながる。抜髄が終わったら、またはそれと同時に根管拡大・根管形成を引き続き行い、根管充填ができる状態にしていく。

(ここまでウィキペディアから引用)

基本的な根管の数

上下顎前歯から犬歯までの根管数は平均1根管。

上顎小臼歯は上顎第一小臼歯で平均2根管。上顎第二小臼歯は平均1根管から2根管。

下顎小臼歯は第一小臼歯で平均1根管。下顎第二小臼歯は平均1根管。

上顎大臼歯は平均4根管から3根管。上顎第二大臼歯は平均3から2根管。

下顎大臼歯は第一大臼歯で平均4から3根管。第二大臼歯では平均4から3根管。

親知らずと言われる智歯は、上顎では平均3から2根管。下顎では4から3根管。

歯髄の形態

木の枝のように細かく分岐しています。そして弯曲や癒合をしています。

歯の歯髄は全く同じ形態のものは、存在しません。なぜなら歯の形や形態はそれぞれ一個ずつ違います。そして分岐しています。なので、それに伴う歯の中の神経も形や太さがそれぞれ違う訳です。

そして加齢に伴う変化などで、歯の神経の管が見えにくくなって、根管治療が困難あるいは閉鎖していて防腐剤が入りきらないあるいは、入らないことも多々あります。

歯髄が炎症や細菌感染を起こしている時に、抜髄処置を行う訳ですが、歯髄の構造はとても複雑なので、根管治療は歯科治療のなかでは、簡単に見えて、実はとても難易度が高い処置になっているのです。

この治療がうまくいかないと、その歯の生存率が下がってくる訳です。

そんな重要な処置なのに、国で決められている保険点数は驚くほど低いのです。ひどい話です。

自費診療の根管治療専門医の歯科医院の一回分の費用負担は、びっくりされると思いますが、実質それくらいの労力とコストがかかっていますので、根管治療にこだわりたい方にとっては、自費診療という選択肢もありなのではないでしょうか。