ジルコニアインレーについて

こんにちは。
かさはら歯科医院、歯科医師の角田です。
4月も始まり、新年度となりましたが皆さんいかが過ごされていますか。
今年も、かさはら歯科医院にはたくさんの新人の方が入社されました。私も新人研修の場で少し、歯科の治療について講義をする機会を頂いたのですが……皆さん、とても真面目に聞いて下さって、これから一緒に仕事をする仲間として、心強い気持ちになりました。

さて、今回の歯の豆知識では、ジルコニアインレーについてお話させて下さい。

私自身、ジルコニアに関してはクラウンやブリッジに用いる材料としては身近でしたが、なかなかインレーとして臨床で扱う機会はありませんでした。ただこの度、自身の臨床で触れる機会がありましたので、その体感をお話出来ればと思います。

正直、私はあまりジルコニアインレーには良いイメージはありませんでした。その理由としては、クラウンならまだしも、インレーは複雑な形態を付与する事が多く、ジルコニアはその硬さもあり加工が難しく、適合性に不安があるものと考えていました。

しかし、今回セットした感想ですが、適合に関しては他のセラミックインレーに引けをとらない程に優秀だと思いました。少なくとも、ルーペで確認する限りの明らかな段差や浮き上がりは確認出来ませんでした。

結果の所、窩洞の形態次第との言い方になってしまうとは思いますが、今回のケースでは窩洞もシンプルなⅡ級であり、良好な結果を得る事が出来ました。敢えて欠点を挙げるとすれば、やはりジルコニアである以上、他のセラミックスと比較した際に、小さな形態修正や研磨にも時間がかかってしまう事でしょうか。ただ、そこまでストレスに感じる程ではなかったです。

事実、今までにセラミックインレー、特にe-maxをセット後に破折などの不具合が出る事は稀にあります。その際には手段として、より歯質を切削し補綴物の厚みを出したり、ナイトガードを勧めるなどの対応をした事もありましたが、今後は新たな選択肢として破折対策にもジルコニアインレーを勧める事が出来ればと考えています。

以上、ジルコニアインレーについての所感でした。
ジルコニア自体、最近に台頭してきた材料である為に、過去の症例も多くはなく、予後に関しても未だに不透明な部分が多い部分はあります。しかしジルコニアにのみ見られる強みもあることは確かであり、今後も積極的に、治療の選択肢として提案が出来ればと考えています。