インプラントについて

みなさんこんにちは!
かさはら歯科医院歯科衛生士の佐藤です^^

最近は、寒暖の差はあるものの日中はだんだんと過ごしやすくなってきましたね!
お互い体に気をつけて元気に過ごしましょう!☺️

今回は【インプラント】についてお話ししていきたいと思います!

まず、インプラントとは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、そこに人工の歯を装着することです。
これにより、天然歯とほぼ同等の咀嚼運動(噛砕き、飲込む運動)を回復することができます。

インプラント治療を行うことで、ブリッジや入れ歯(後述)のように隣の歯を犠牲にしたり、大きな異物感のあるものをお口の中に装着することなく、歯に近い機能を回復することができます。
ここまではご存知の方も多いかと思いますが、実はそのこと以上にインプラントには、一般的にはあまり知られていない大きなメリットがあります。
それを知るためには、まず歯を失ってしまうとどのようなことが起こるかお話ししていきます。

歯を失われた状態を治療せずに放置すると、口の中はどのように変化するのでしょうか?
“歯が一本ないくらいではそこまで困らないのでそのままにしてしまった”という話をよく聞きますが、その油断は、これから述べることのすべての始まりと言ってしまっても大げさではないかもしれません。

歯が抜けた状態を放置すると、数か月から数年の歳月を経て、手前に倒れ(傾斜)、抜けた歯と噛み合っていた上の歯は下に落ちてきます(挺出)。

歯が動いてしまうと、噛んだときに動いてしまった歯同士が強くぶつかるようになり、大きな物理的ダメージが加わるリスクが非常に高くなります。

更に、傾斜や挺出により生じた大きな段差や鋭角になった部分に、汚れが詰まり不衛生になりやすくなる領域が出現します。
歯がプラーク(歯垢)や歯石などに汚染されてしまうと、虫歯や、歯の周囲の骨を溶かしてしまう歯周病という病気を引き起こすリスクが非常に高くなってしまいます。

では、なぜ1本の歯を修復するのに、他の歯に大きな犠牲を強いなければならないのでしょうか?
それは、最初にお話ししたように、上の歯と噛み合うための力(50~100kg)に耐えうる十分な支えが必要になるためです。
その支えを両隣に求めるがために、両隣の歯を削ったり、留め金をかけたりしなければいけません。また、歯グキに負担を求めようとするがために、歯グキの上に大きなプラスチックを乗せるなど、非常に効率の悪い方法により、修復をしなければなりません。

歯は顎骨に支えられているので、当然、新しく作る人工の歯に関しても、同じように骨(顎骨)に支えを求めれば、万事解決ということになるわけですよね。
そこで考えられたのが、インプラント(人工歯根)です。
インプラントは、歯の根と同じように、直接骨に埋め込まれることで、噛む力を骨に負担させることができます。


インプラントの構造は

1.歯を失ったあごの骨の部分に埋め込む人工歯根(フィクスチャー)
2.その上に取り付けられる土台(アバットメント)
3.歯の部分に相当する人工歯(上部構造)


この3つを組み合わせ、上図のように歯を失った場所を補うのがインプラントです。 あごの骨に埋め込むインプラント、アバットメントの素材ですが、多くの歯科メーカーでチタンもしくはチタン合金という金属が採用されています。身体との親和性が高く、金属アレルギーが起こりにくい素材です。


理想的な治療法に見えるインプラント。どんな治療法にもメリット・デメリットがあります。デメリットも把握し、理解を深めたうえで治療に臨むことが、後悔しない歯科治療をしてくうえで大切なことでしょう。

デメリット
①保険がきかない
②手術を行う必要がある
③全身疾患がある方は注意
④治療期間が長い
⑤メンテナンスが必須


インプラント、人工歯は虫歯になることはありません。しかし完成したらそこで治療は終了、一生使える…というわけにはいきません。インプラントを埋め込んだ部分のお手入れが不十分だと歯周病(インプラント周囲炎)にかかってしまうことが多々あります。せっかく高いお金を払って入れたインプラントが長持ちしないなんてことになりかねません。
普段のセルフケアが必要なのはもちろんですが、歯科医院でのプロによる定期的なメインテナンスが必須です。これはインプラントだけではなく天然歯にも言えることですが、トラブルが起きる前の「予防」が歯において一番大切なことだと思います(病気になって行く医科との大きな違いです)。インプラント周囲炎は治療が難しいので、インプラント周囲炎になる前に定期的にチェックを行い「予防」を心がける必要があります。


ブリッジや入れ歯に代わる治療として注目されているインプラントを選択することで得られるメリットはたくさんあります。 ご自身で興味を持ち、理解を深めることがインプラント治療を成功に導く第一歩だと思います。
そして、インプラントを入れたらゴールではなく、長期間使い続け、維持していくためには、ご自身や歯科医院でのケアが重要です!