歯を白くしたい3

みなさん、こんにちは。歯科医師の伊勢円です。

 

前回、前々回とホワイトニングについてお話ししてきました。今回もその続きです。

 

ホワイトニングはオキシドールが分解するときに発生するフリーラジカルの作用を利用して、歯の着色した部分を無色化していく方法だと前回、前々回でお話ししてきました。ホワイトニングで歯が痛くなる場合、それは、フリーラジカルが象牙細管という管を通って歯の神経を刺激してしまうことによります。これは一時的なものなので、時間が経つとおさまってきます。また、知覚過敏になるかどうかについてはホワイトニングの方法と薬剤の濃度によるところが大きいです。ただ、オフィスブリーチでも出ないこともありますし、ホームブリーチでも出ることがありますので、どの方法なら出ないとは一概には言えません。最近では、オフィスブリーチでもオキシドールの濃度が低いものが開発されていますので、知覚過敏は起きにくくなっています。逆に、ホームブリーチでは長い時間薬剤を作用させるためコントロールするのが難しく、低い濃度のものでも知覚過敏になることもあります。

 

ホワイトニングによる知覚過敏は、主に露出した象牙質に直接ホワイトニング剤が接触した場合と、ホワイトニング剤がエナメル質の間隙を通って象牙質に到達した場合に起こります。そのため、露出してしまっている象牙質には薬剤を塗らないようにすること、エナメル質の間隙に薬剤が入らないようにカルシウムやアパタイトを沈着させて、ルートを塞いで刺激が神経に伝わらないようにすることが重要になります。封鎖するためにはフッ化ナトリウム、硝酸カリウム、シュウ酸、乳酸アルミニウム、非結晶性リン酸カルシウムなどを塗布しますが、これらは歯磨き粉にも含まれているものなので安全性は高いです。

 

また、ホワイトニング後の飲食には注意が必要です。ホワイトニング後はオキシドールの影響で歯の表面膜がなくなり、ハイドロキシアパタイトがむき出しの状態になっています。この時に酸性のものを食べたり飲んだりすると、歯が溶けやすくなってしまったり、色の強いものによってすぐに着色してしまったりするので、最低でも1時間は飲食自体を避けて下さい。

 

ホワイトニングした歯が色戻りすることがあります。それは、色が落ち着いたり、目が慣れてきたり、着色しやすいものを食べたりなど原因は様々です。理論的にはすぐに色が元通りになるには年単位でかかるということがわかっています。

 

歯が白い状態を維持するには、基本的なブラッシングは欠かせません。さらに、数年経って色が戻ったということがないように、定期的なメンテナンスホワイトニングが必要になってきます。

 

歯の色について悩んでいる方は少なくないと思います。ホワイトニングで白い歯を手に入れて、人生を豊かにしたいものです!

 

()当院では扱っていない方法が含まれます。