結局フッ素って何なの?

初めまして。
今月から、かさはら歯科に勤務となりました、歯科医師の大島と申します。

今回のテーマですが、定期検診の時にいつもお子様の歯に塗っている「フッ素」について説明していこうと思います。
歯科で扱うフッ素というのは、正しくはフッ化ナトリウムという、フッ化物のことを指します。
みなさんなんとなく、フッ素を塗れば虫歯になりづらくなるのかな?という認識はあると思いますが、具体的にどういった効果があるのかはよくわからないという方が多いのではないでしょうか。
まず、虫歯というのは、

  1. 虫歯菌が口の中にどれくらいいるか

  2. 口の中に砂糖など虫歯の原因の食べ物がどれくらい入ってくるか

  3. 歯がどれくらい虫歯菌に対して抵抗力があるか

という3つの要因によって、発生のリスクが決まってきます。

1は0~2歳くらいの間に、どれだけ大人の唾液から虫歯菌をもらってくるかというのである程度決定してしまいます。
2はアメやジュースなど、砂糖を多く含んだ食べ物をずっと口に入れていたりすると、当然虫歯になりやすくなりますよね。
3は、歯がどれくらい虫歯に対して強いかというところになるので、この要素に対してアプローチをかけるのが、フッ化物になります。

1は目を離したスキに大人の使ったスプーンを舐めてしまったり、2は子供に甘いものをおあずけにするのは現実的に厳しいところがあったりと、
この2つに関してはなかなか対策するのが難しいと思います。
ただ、この3つの要因のひとつでも対策してあげれば虫歯にはなりづらくなるので、フッ化物を応用することで対策できる3の要因が、一番取り組みやすいものだと考えられます。

その威力は凄まじいもので、新潟県では、1970年から学校などで集団的フッ化物洗口を始めました。学校に入る前の3歳児の虫歯の数は、都道府県なかで平均くらいの順位に位置づけられているのですが、幼稚園や小学校での集団的フッ化物洗口を実施した後の12歳では、虫歯の数は大幅に減少し、14年連続で全国1位となっています。

フッ化物は、濃度が高いほど効果が上がるわけではなく、低濃度のものでも、歯の表面に存在すれば丈夫にする効果を発揮するので、「低濃度」を「高頻度」に使う方法が良いとされています。
なので、お家ではフッ化物の入った歯磨き粉を使ったり、貝や海藻など、ミネラルの多く含んだ食事を与えたりしていただいて、定期検診では当院にてフッ化物塗布を行い、フッ素に触れる機会を増やしていけたら、虫歯の無い健康な状態を作れるのではないかと思います。

もちろん、食事をした後は歯ブラシもしっかり行いましょうね!