歯科用セラミックスについて

こんにちは。
歯科医師の角田です。
11月も終わりに近づき、今年も残すところ1カ月程となりましたね。私は今年は一度も実家に帰っていないので、そろそろ帰省をしたいのですが…今の情勢を考えると、それも難しいのかもしれませんね。10年以上も仙台で過ごして、年越しを仙台で迎えた事は今まで1度も無かったのですが、今年は初の機会となりそうです。

さて、今回は歯科用セラミックスにおける材料選択について、再度勉強をする機会がありましたので、私の備忘録も兼ねて、歯の豆知識としてまとめさせて頂きます。

今では歯科において、修復材料として一般的に用いられる様になったセラミックスですが、一言でセラミックスと言ってしまっても、その実に種類は数多く存在します。かさはら歯科医院で使用しているセラミックスの種類としては、長石系セラミックス、LDS(二ケイ酸リチウムガラス)、ジルコニアが挙げられます。簡単に言ってしまえば、この材料を単体で用いるか(モノリシック)、層状に組み合わせて用いるか(レイヤード)で名称も特性も異なってくる訳ですね。

具体的に、かさはら歯科医院ではホワイトクラウン(モノリシックジルコニアクラウン)、e-maxインレー(モノリシックLDS)、ジルコニアクラウン(レイヤードジルコニアクラウンorモノリシックジルコニアクラウン)、e-maxクラウン(モノリシックLDSorレイヤードLDS)を扱っていますが、各々の材料にメリット、デメリットを含めた数多くの特性が存在します。

それでは何を基準に各々の材料が選択されるかですが、それは被せるor詰める歯の状態や、咬合の状態、患者さんの希望などが挙げられます。単純に白い被せものを入れたい→ジルコニアクラウン、白い詰め物を入れたい→e-maxインレーを勧める、という事ではないです。

強度を重視するべきなのか、審美性を重視すべきなのか。歯科用セラミックスでは強度と審美性は多くの場合、反比例をする事が多いです。キレイなものを入れようとして、強度不足により長持ちしなかったとなっては元も子もないので、どの中庸をとるべきか、患者さんとよく相談をした上で材料も決めていくことになります。

以上、歯科用セラミックスについてでした。
被せものor詰め物の選択ですが、各々でメリット、デメリットは多く、患者さんの歯ごとにベターなものはあっても、ベストなものはない、といった印象です。その為、治療の際はしっかり患者さんと相談をした上で材料を決める必要がありますね。