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ワーファリン:抗凝固剤を服用している方の抜歯について

かさはら歯科医院の歯科医師高橋千佳です。

前回は歯肉の出血について書きましたが、今回は所謂、血液サラサラの薬を飲んでいる方の抜歯について書きたいと思います。

ワーファリンとは、以下の病気、

  • 深部静脈血栓症
  • 肺塞栓、肺梗塞
  • 人工弁置換術後
  • 弁膜症を合併した心房細動

の際に処方される薬であり、これらの症状を持つ患者さんにとっては生命維持に欠かせないものともいえるのではないでしょうか?

以前のワーファリン(ワルファリンカリウム)の効能書きには、小外科手術、抜歯などの際は投与量を半減するもしくは中止が望ましい、と書かれていました。
今までにも、抗血栓薬服用中の患者さんの抜歯をしてきました。以前は服用を中止してもらって抜歯をしていましたが、最近は服薬を事前に中止してもらうこともなく、術後の出血に難儀した経験もほとんどありません。
われわれ歯科医は抜歯後出血に対し、圧迫、結紮、レジン床副子による圧迫等々、いろいろな止血手段をもっています。下歯槽管を切った動脈性の出血ならともかく、普通の抜歯窩から一晩で命が危うくなるほどの失血は起こりえません。抗血栓薬を服用する患者さんは歯周病の方が多く、抜歯も比較的容易なものがほとんどです。もちろん健常な方よりは止血しにくい傾向は見られますが、事前の説明どおりにしっかり圧迫してもらうことにより何とか対処ができることが多いです。
脳梗塞発作の方がよっぽど危険です。
すでに四半世紀以上前に式守先生(名古屋大学口腔外科大学院生・当時)という方が、約200人におよぶ抗血栓薬服用患者に薬を止めずに抜歯を行って、圧迫と結紮のみで重大な後出血は来さなかった、という学位論文が発表されているのです。
血液凝固の機序は非常に複雑です。何度かメカニズムを理解しようとしましたが、気持ちが続かず途中で投げ出しました。抗血栓薬にはこの機序のいろいろなところに作用して、効果を発揮する訳で、薬によっては休薬したとしても、すぐには凝固能が元に戻らないものも少なくありません。

このように、抗凝固剤を中止するリスクを考えると、確かに止血はしずらくなるとしても、抗凝固剤は中止せずに
に抜歯を行う方が良いのでは、と思われました。

最近、話題になっている、骨粗鬆症の薬服用中の抜歯後に顎骨の骨髄炎を来すという報告が多くなってきています。顎骨は身体の他の骨と違い、外気やバイ菌にさらされる危険性の多い骨です。頭の隅にとどめておいていただければ幸いです。

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