口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日は、口の中の「粘膜疾患の形からみた疾患の鑑別」についていろいろと、あげていきたいと思います。

 

腫瘤状の隆起病変について

①形が不明瞭で、表面の凸凹な形態(疑われるものとして、扁平上皮癌など)

②形がびまん性の腫脹(疑われるものとして、血管性の浮腫など)

③義歯の辺縁にできたもの(疑われるものとして、義歯性線維種など)

④義歯の内面にできたもの(疑われるものとして、フラビーガムなど)

⑤境界が明瞭で、表面滑沢(疑われるものとして、線維種など)

⑤歯肉にできる(疑われるものとして、エプーリスなど)

⑥表面滑沢(疑われるものとして、歯肉増殖症など)

⑦境界明瞭、表面凸凹(疑われるものとして、乳頭腫など)

⑧暗赤色(疑われるものとして、血管腫など)

⑨境界明瞭、表面滑沢(疑われるものとして、多形腺腫など)

⑩柔らかく、波動を触れる(疑われるものとして、粘液嚢胞など)

⑪骨様硬(疑われるものとして、外骨腫など)

 

陥没病変について

①上皮が剥がれて、潰瘍状になっている(疑われるものとして、疱疹性歯肉口内炎など)

②歯周疾患に関連がある(疑われるものとして、壊死性潰瘍性口内炎など)

③物理的に問題がある(疑われるものとして、褥瘡性潰瘍など)

④上皮が剥がれて潰瘍になっている(疑われるものとして、天疱瘡や類天疱瘡など)

⑤中心が潰瘍で、周囲が赤い(疑われるものとして、アフタなど)

 

扁平状の隆起病変について

①拭いさることのできない白色(疑われるものとして、白斑症など)

②拭い去ることのできる白色(疑われるものとして、偽膜性カンジダ症など)

③肉芽腫様、白斑症様(疑われるものとして、肥厚性カンジダ症など)

④白色の部分が、隆起している(疑われるものとして、口腔扁平苔癬など)

⑤黄色になっている(疑われるものとして、アミロイド―シスなど)

⑥舌にできた表面滑沢のもの(疑われるものとして、正中菱形舌炎など)

 

平坦な病変について

①赤色、表面粗造(疑われるものとして、紅班症など)

②赤色(疑われるものとして、紅班性カンジダ症やカタル性口内炎など)

③舌乳頭が委縮している(疑われるものとして、萎縮性舌炎など)

④黒色(疑われるものとして、色素沈着など)

 

水疱性病変について

①ウイルス性病変(疑われるものとして、帯状疱疹、疱疹性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、ヘルパンギーナなど)

②自己免疫病変(疑われるものとして、天疱瘡や類天疱瘡など)

 

参考文献「チェアサイド・介護で役立つ 口腔粘膜疾患アトラス どこで見わけて、どう対応? 中川洋一先生著」より