こんにちは。歯科医師の高橋です。
本日は「入れ歯があわない原因として考えられるもの」について書いていこうと思います。
入れ歯があわない原因として考えられるもの
①嘔吐反射(ハブラシを口の奥の方に入ったとき、「おえっ」となる反射のことです。
それらは生理的な反射で、簡単な歯科治療でも、顕著に表れる方が時々いらっしゃると思います。
しかし、心理的な原因により発生している場合に、お子様などはトレーニングで改善できることもあります。
同様に成人された方なども、鼻で呼吸をして、口の中に水を溜める練習をすることで、
歯科治療に関する嘔吐反射は少しずつ改善されていくケースも多々見られます。
義歯で嘔吐反射が出ているケースで多いのが、少数歯の欠損で小さい形の義歯に慣れずに、そのまま使用しなかった方です。
そんな方は、例えば欠損歯が多くなり、義歯がさらに大きくなると義歯をつけた途端に、自然と嘔吐反射が出てしまうのも、うなずけます。
治療方法としましては、義歯を小さくすることや、義歯の設計や材質を変えることや、その他はインプラント治療になります。
義歯を小さくすることで、装着感が良くなり少しずつ慣れていくこともあるので、根気強く義歯調整をおこなうことが必要になります。
それでダメならインプラントでしょうか。。。)
②顎の骨の変化(よく歯茎が痩せて入れ歯がゆるくなったという主訴でいらっしゃる患者さんがいます。
そうなんです。入れ歯を支えている歯茎の形はその顎の中の骨の変化により形が変わります。
例えば20年前に作った入れ歯がぴったりで今でもそれを愛用しているという方が時折いらっしゃいますが、そんな方はまれです。
なぜなら顎の骨の変化が20年前と変わらないってことは、ほぼないからです。
いるとしたら、義歯をつけていることで、歯茎が義歯の裏側の形になり、顎の骨が矯正されてぴったりになっているという場合とか、
奇跡的に骨の吸収が遅いとか、特別な場合が考えられます。
実際、そのようなケースはほんの一握りで、義歯を入れて数年後には、義歯がすり減り、バランスを崩し、どこかしらがあたって痛みを生じるようになるのが、自然です。
治療方法としましては義歯の新製作や修理や調整です。)
③生理的活動域の侵害(食事をしたり、会話をしたりするときに、舌や歯や頬の動く範囲に異物があると排除したくなります。)
他、腫瘍や嚢胞、歯の位置的な変化や新たな欠損、顎の骨折、義歯の破損や変形、認知症なども影響があります。