歯科用レーザーについて

こんにちは。

歯科医師、角田です。

 

今回の歯の豆知識のブログのテーマは、歯科用レーザーについてです。

というのも、そもそも私はレーザーについては最低限の知識しかなく、医院には設備としてはありますが、今までに一度も使ってはいない状態でした。

しかし先日、私が参加させて頂いたインプラントのセミナーにて、歯科用レーザーが骨や粘膜などの組織再生に効果がある事が明らかにされている、という話を聞きまして、歯科用レーザーに対して興味が沸いてきました。その為に、今回は私の勉強も兼ねて、歯科で使用されるレーザー、その中でもCO2レーザーと呼ばれる機器について、まとめさせて頂ければと思います。

 

まず、歯科におけるレーザー治療とはどういった治療なのでしょうか。

 

レーザーには、2つの効果があると言われています。

1つは熱的作用です。これはCO2レーザーやEr:YAGレーザー、Nd:YAGレーザーなど赤外線領域の波長を持つレーザーにおける代表的な作用です。レーザーの熱の力により、組織を炭化させたり、蒸散させたりする他、凝固させたりする事が出来ます。これは歯科領域では組織の切開や切除、止血に用いられます。

2つ目は光化学的作用です。これはエキシマレーザーなど紫外線領域の波長を持つレーザーが主に有する作用であり、疼痛緩和を目的に用いられます。

また、半導体レーザーやHe-Neレーザーなど、これら2つの作用を併せ持つレーザーも存在し、疼痛緩和やPDT療法(Photo Dynamic Therapy)などに応用されています。

 

多くのレーザーの種類を述べさせて頂きましたが、その中でも歯科診療の部門で多く用いられているのがCO2レーザーであると思われます。

 

CO2レーザーは前述した通り、10.6μmの赤外線領域の波長を持つレーザーです。この波長がレンズにより集光され、組織に対して非接触的に作用を及ぼします。照射条件として、このエネルギーが大きければ組織に対してはHLLT(High  Level reactive Therapy:高反応レベルレーザー治療)と呼ばれる、炭酸ガスレーザーとして代表的な切開や蒸散といった作用を持ちますが、エネルギーを低下させる事により、LLLT(Low  Level reactive Therapy:低反応レベルレーザー治療 )と呼ばれる照射部の細胞の増殖や分化を促進させる効果を持つとされています。

 

以上ですが、歯科用レーザー、特にCO2レーザーについて簡単にまとめさせて頂きました。レーザーは近年進歩の目覚ましい分野です。私も最新の情報を取り入れつつ、日々の診療に利用が出来ればと考えています。