セラミックス治療について

こんにちは。

歯科医師の角田です。

本日はセラミックスの選択基準について、自分なりの意見を含めて勉強した結果をまとめさせて頂きます。今後セラミック修復治療を選択される患者さんにとって、一つの参考となれば幸いです。

 

今では歯科において、修復材料として一般的に用いられる様になったセラミックスですが、一言でセラミックスと言ってしまっても、その実種類は数多く存在します。当院でも、オールセラミックの種類としてモノリシックジルコニア(ホワイトクラウン)、モノリシックe-max(e-maxインレー)、レイヤードジルコニア(ジルコニアクラウン)、レイヤードe-max(e-maxクラウン)を扱っていますが、各々の材料にメリット、デメリットを含めた数多くの特性が存在します。

 

今回はその特性の一つ、モノリシックタイプとレイヤードタイプの差異について述べさせて頂きます。

 

モノリシックタイプ。

モノリシックとは、『一枚板』の事であり、単一の材料で構成される事を意味します。この場合、単一の材料とは、いわゆる化学的な意味での単体とは異なります。例えばモノリシックジルコニアならば、酸化ジルコニウム、或いはイットリアなどを添加された材料単一で構成されたものを指します。モノリシックe-maxも同様に、2酸化ケイ素、酸化アルミナを主成分としたe-max単一の材料で作成されたものを指します。

 

レイヤードタイプ。

レイヤードタイプとは、『積層』の意味です。先に紹介したモノリシックタイプと対比する意味の単語であり、二種以上の材料を組み合わせた材料の事を指します。例えば、ジルコニアのフレームに陶材を築盛したものや、e-max pressフレームにカットバック法やレイヤリング法によりe-max ceramを築盛したものを指します。

 

モノリシックタイプとレイヤードタイプ、各々を選択するメリットとデメリットについてですが、これを一概に言う事は難しいです。一般的にレイヤードタイプを選択する意義とは、以前は審美性にありましたが、現在では材料が進歩した結果、e-max単体においても透過性を得る事が出来る他、ジルコニアにおいても高透過性を持つイットリア含有ジルコニアなど、モノリシックタイプでも審美性を追求が出来る様になりました。

しかし、レイヤードタイプはモノリシックタイプと比較すると、その材料の境界面が存在する為に、物性は低下すると考えられます。

 

以上がモノリシックタイプとレイヤードタイプの特徴となっています。次回は各々の材料の特性について述べさせて頂きます。