歯内療法

こんにちは 歯科医師の鈴木敬です。

最近は少しずつ暖かい日が増えてきましたね。ですが、花粉も出始めているみたいですね。

花粉症対策も忘れずにして下さいね。

今回は、歯内療法について書きたいと思います。

歯内療法は言い変えると大まかに言えば根の治療になります。虫歯が進行して神経まで到達していた場合行う治療です。

では、虫歯はどう感染するのか。

歯は2層構造になっています。外側がエナメル質、内側が象牙質です。そして、その中に神経があります。エナメル質は身体の中でもっとも固い組成を示します。そして、細菌に対して透過性を有しません。つまり、感染しないという事です。

しかし、そのエナメル質という防御壁が欠如した部位あるいは欠如した時から感染は始まります。象牙質に達した細菌は象牙細管(細い管が神経まで繋がっています)を介して神経全体に進行し、根尖孔外へ波及すると根尖病巣(根の膿の病気)となります。

では、どのように神経で炎症が起こってしまうのでしょうか。

虫歯が象牙質に進行した時点で既に、細菌の病原性因子によって神経に炎症性反応が起こる可能性があります。神経は細菌が侵入したからといってすぐに歯髄壊死に向かう訳ではなさそうとのことです。まずは、先天性免疫により「急性炎症」という防御反応をとり、細菌の種類と量、感染の期間、生体の防御反応の高さで、「急性炎症」は可逆的な慢性の歯髄炎になるか、非可逆な歯髄炎あるいは歯髄壊死に向かうと考えられるそうです。(治癒の歯内療法から)

自分としては、感染の防御壁となっているエナメル質をいかに保存することが大切だと思います。

小児では、生え始めの永久歯はまだ幼若ですから、フッ素などで歯質の強化、再石灰化を早い段階から行い、虫歯のリスクから守りましょう。

治療後の歯で虫歯はありませんが、神経が死んでしまうこともあります。虫歯、細菌を取り除いても細菌が持っている病原性因子や細菌の種類と量、感染の期間、生体の防御反応の高さで壊死してまうのであれば、やはり早い段階で治療介入することが重要なのだと思っています。

そして、根の治療になった場合は、継続して治療を行うのは必須だと思います。お口の中に仮ふたの状態であるので放置しておけば細菌が入る可能性は高いはずです。その期間は歯にとってとても大切な期間ということですね。

もちろん、クリーニングを行い、細菌数を抑えたり、磨き残しをなくしておくなど、定期的なチェックは欠かせないことだと思います。