歯周病が原因の知覚過敏について。その2

こんにちは、歯科医師の高橋です。
前回、私は、歯周病による知覚過敏について、非常に簡単な解説をしました。
今回のテーマはこの歯周病が原因の知覚過敏の治療法についてお話していきたいと思います。またどうぞよろしくお願いいたします。
まず、前回の話ですが、歯周病が進行すればするほど、歯のまわりの土台が薄く弱くなって、口の中の刺激が感じやすくなるということを説明しました。
じゃあ、土台を強く、厚くして、歯の周りの歯ぐきや骨を再生させる治療をすればいいのでは、と思いますよね。
実はそのような治療は、あるのかと言えば、、、あるのです。。。
それは、「歯周外科」といって保険診療でも一部分適用されています。。。
簡単にどのようなものかと言えば、はぐきを麻酔してメスで開いて、歯茎の骨が部分的に吸収しているところに、人工的な膜を入れたり、骨を再生させる成分を入れたり、、
あるいは口の中の粘膜の他のところから、はぐきを移植したり。。。それは、患者さんにとって、様々なリスクを伴う処置です。
体力的にも、メンタル的にも、患者さん自身の経済的な負担にも、お仕事や学業にも、生活をされる面で、かなりなリスクを生じることが予想されます。
私の経験上、今まで有能なDrの「歯周外科」をいろいろ拝見してきましたが、土台の状態が一時的によくなっても、年月が経過すると、大体のケースで、、、
残念ながらもとに戻ってしまったり、かえって症状がひどくなったりして、あんなに苦労してお金をかけて、高度な治療したのに、
治療した意味がほとんどなくなっていることが、数多く見られるのです。
それは、メインテナンスをしっかり受けていても、日頃のケアの状態がうまくいっていなかったり、かみ合わせや歯並びの関係が変わってきたり、
加齢や体調の変化や、いろいろな噛み癖や生活習慣が影響していることが考えられますが、それって生きているうえで避けて通れないところじゃないですか。
結果高度な治療を受けていても、ほとんどのケースで元通りになってしまうので、私はあまり皆さんにお勧めは正直なところ出来ないのです。。。
じゃあ何が一番歯周病で引き起こされる知覚過敏の治療法で良いものは、、、と考えてみると、
実は治療よりも日頃のケアを気をつけるだけで、案外症状が改善できるものではないのかと思っています。
あくまでも私的な考え方は、最終的にブラッシングを日々歯に優しく丁寧にすることが一番の知覚過敏予防と歯周病予防になってくると思っています。
コツとしては、歯周病と知覚過敏の予防ができる歯磨き粉を使い、歯を刺激しないように、とにかく柔らかい歯ブラシを使って、時間をかけて細々と磨くのです。
磨くタイミングは睡眠前が一番良いとされています。なぜかというと、歯周病菌が口の中で、繁殖しやすくなる時間帯は、睡眠時と言われているからです。
日々のケアは一番重要です。ゴシゴシ磨きは歯のいろいろなトラブルを招きます。次回はゴシゴシ磨きの害についてお話したいと思います。