顎関節症

みなさんこんにちは!歯科衛生士の山内です。

皆さん”顎関節症”という言葉はご存知ですか?
「口を開けたときカクッと音がする」「食事のときに顎が痛い」といった症状の方はいますか?

①顎が開きにくい、スムーズに開いたり閉めたりできない
②顎を動かすときに音がする
③顎を動かした時に痛みがある

このうちいずれかの症状に当てはまると顎関節症と診断されます。診断の際は同じような症状を示す別な疾患の可能性も考えられるため、よく調べる必要があります。

若い女性の方に多く見られ、様々な要因が考えられる疾患です。症状別には顎の関節に問題がある場合と顎を動かす筋肉に問題がある場合、またはその両方を示す場合があります。

*原因
以前は歯のかみ合わせが原因と言われていましたが、今は顎関節症は”いくつかの要素が加算されて顎や筋肉の耐久性の許容限界を超えると発症する”と考えられています。考えられる原因として
・不正咬合(歯並び)
・ブラキシズム(歯ぎしり、食いしばり、歯をカチカチする癖)
・精神的なストレス
・打撲
・生活習慣(頬杖、うつぶせに寝る、猫背、左右どちらか一方で噛む癖)
などといったものがあります。原因のかなりの部分が生活習慣にかかわっていることが指摘されています。皆さんは当てはまるものはありましたか?普段やりがちな癖は実は顎に負担をかけているんです。

*治療
顎関節症は原因の特定も難しく、治療は診断内容や治療の経過によって変わってきます。
生活習慣(猫背、うつぶせ寝、頬杖など)に原因が考えられる場合は顎関節症の症状の方ご本人が自覚し注意していく行動療法を行い、ブラキシズム(歯ぎしり、食いしばり、歯をカチカチする癖)があるかたには行動療法のほかにマウスピースを使ってみたりもします。
かみ合わせや不正咬合の原因が考える方には矯正治療やかみ合わせの調整を行ったりします。
前述のとおり顎関節症は生活習慣によるところも多いのでセルフケアで様子を見ていくことも多いです。顎関節症は時間が経つとともに症状が軽減する場合もありますが、不安を除くためにも症状のある方はぜひ一度ご相談下さい。

*顎関節症は全身にも影響を及ぼす
顎関節症は顎まわりだけでなく全身にも影響が及ぶ場合があります。その際の症状が
・めまい
・頭痛
・肩、首のこり
・耳鳴り
・手足のしびれ
といったものになります。顎まわりの自覚症状がなく全身症状が目立つ場合もあり、その際は多くの方は顎に影響があるとは思いません。

虫歯、歯周病そして顎関節症は自分で自覚するのが難しいときもあります。定期検診ではそういった自分で自覚しづらいことを発見できる機会でもあるので、ぜひ定期的に検診を受けに来ていただければと思います。またこの記事で顎関節症について少しでも知っていただければと思います。

参考文献:新版家族のための歯と口の健百科 口腔ケア歯科衛生士の役割を問う