脱灰と再石灰化

こんにちは!歯科衛生士の安部です!
みなさん脱灰と再石灰化という言葉は知っていますか??
脱灰とは、歯の表面から歯の成分が溶け出してしまう現象のことです。
私たち人間の口の中には、常に菌が存在しています。この菌は歯にくっつくと、食べ物に含まれる糖質をエサにして酸をつくります。この酸が歯の表面の成分であるミネラル(カルシウム、リン)を溶かしてしまいます。
再石灰化とは、溶け出した成分が元に戻ってくることです。

再石灰化とは、酸によって溶け出してしまっても、唾液などの働きで酸を中和し、溶け出したミネラルを歯の表面に戻してくれます。

脱灰は歯の敵、再石灰化は歯の味方と覚えておきましょう。
では、脱灰と再石灰化はいつ起こるのでしょうか?
それは、酸をつくるときに必要な菌のエサが口の中にはいったとき、つまり食事をしたときなんです。
食事をして糖質を摂取すると、菌が酸をたくさん作り出し口の中が酸性に傾きます。しかし、その後30分〜40分ほどで唾液による中和作用と再石灰化作用で、口の中はふたたび中性にもどり、溶け出したミネラルも元にもどっていきます。
人は食事をするたびに、酸が溶かしてしまった歯の成分を唾液ががんばって元に戻す、という攻防を延々と繰り返しているわけです。唾液はこんなに大事な役割をしてくれていたんです。

脱灰と再石灰化のバランスを常に保ち虫歯を予防するために、下記の3つを心がけて生活しましょう。

1.規則正しい食生活と歯磨き習慣

1日3食きちんと食間をあけて規則正しく食事をとることは、脱灰と再石灰化のバランスを保つことに有効です。1日に何度も食事をとる人は、規則正しい人に比べて酸性にかたよりがちになり脱灰を促進してしまいます。甘いものの取りすぎや就寝前の食事やあまいものの摂取も控えましょう。
そして、食後はなるべく時間をあけず歯磨きをして、脱灰の原因となる糖質を取り除きましょう。

2.歯磨きでプラーク除去

日々の歯磨きで脱灰の原因となる菌のかたまりをとりましょう。自分で日々ブラッシングをするだけで十分効果があります。もっとケアしたい!という方は、歯医者さんで定期的にプラーク除去のプロフェッショナルケアを受けるのも良いでしょう。

3.再石灰化を促す歯磨き粉の使用

フッ素をなどの含まれる歯磨き粉を利用することで、再石灰化を促して脱灰に負けないバランスのとれる口内環境を保ちましょう。フッ素以外にも、リカルデント、キシリトールなどが再石灰化を促すのに有効な成分です。

当院でもフッ素の濃度が高い歯磨き剤(1450ppm)があるのでみなさんぜひ使ってみて虫歯予防をしていきましょう!