歯の外傷について

こんにちは歯科医師の山岸です。😬

今回は歯の外傷について書いていきます。

 

受傷時の年齢は、乳歯では1〜2歳、永久歯では7~8歳が多いです。

受傷原因は乳歯では、転倒が最も多く、次いで衝突、転落、打撲が多いです。

永久歯は乳歯に比べて衝突の割合が高く、交通事故やスポーツ外傷等、原因もよ

り多様になっています。

乳歯では、男児が女児よりも受傷頻度が若干高い傾向があります。

永久歯では、男子の受傷頻度は女子の約2倍高いです。

 

子供の発達は、1歳頃から1人で歩き、その後走ることも出来ます。

これは運動協調性の発達前期にあたり、この時期に歯の外傷が多発します。

 

好発部位は上顎の乳中切歯と永久中切歯が最も多く、半分以上を占めます。

次いで、乳歯では、上顎乳側切歯、下顎乳中切歯、下顎乳側切歯が多いです。

永久歯では下顎中切歯、上顎側切歯、下顎側切歯の順に多いです。

 

受傷様式は、乳歯よりも永久歯において、歯冠や歯根を破折した歯が多いです。

乳歯では歯が動揺する等の脱臼性の損傷が多いです。

口腔軟組織の損傷は、上下口唇、口腔前庭の損傷が多く、受傷時によくみられます。

 

各組織における損傷について

○エナメル質

永久歯形成段階において、外傷や感染によって障害を受けると、実質欠損をもた

らす可能性があります。

このような萌出前に生じた形成不全部や萌出後の外傷で生じたエナメル質の亀裂

や破折は象牙質や歯髄に物理・化学的刺激をもたらす可能性があります。

 

○象牙質、歯髄

破折や亀裂が象牙質まで及んだり、破折面に歯髄が露出した場合、時間経過とと

もに歯髄内へ感染と炎症が進行し、根尖性歯周炎が生じますが、覆髄や断髄とい

った処置によって歯髄への感染を阻止すると、歯髄は再生能を発揮し、歯髄が保

護されることもあります。

歯に急激な外力が加わると歯髄には内出血を始めとする循環障害とびまん性損傷

が起きることがあり、これにより歯髄腔狭窄が生じることがあります。

一方、歯が脱落した場合等で歯髄が断裂した場合には循環が破綻するため、その

後の血管再生が不十分だと歯髄は壊死に陥ります。

 

○歯周組織

歯周組織には、外力の強さと方向に応じて、断裂する部位と挫減する部位が生じます。

挫滅部位の方が組織の圧迫により虚血が生じて、治癒が遅延し、歯根吸収や骨性癒着が比較的多く

生じます。

歯槽骨骨折では、修復過程において骨吸収と骨形成が起きます。

 

以上、歯の外傷についてでした。

次回は外傷についてさらに書いていこうと思います。