歯ぎしりとその対応について

こんにちは!歯科医師の山岸です!

今回は歯ぎしりやそれらへの対応について書いていこうと思います。

歯ぎしりや食いしばりは噛み合わせやストレスといったさまざまな要因が重なる

ことで生じやすいと言われています。

歯ぎしりや食いしばりをしてしまうと普段食事している際よりも過剰な力(咬合

力)が長時間かかっていることになります。

そうすると歯が磨り減ったり(咬耗)、歯が欠けたり(破折や楔状欠損)、歯に

亀裂の線(クラック)が入ったりしてしまいます。

このような症状が生じたり、歯ぎしりや食いしばりを自覚した場合、以下のよう

な対応があります。

・日中歯ぎしりや食いしばりをしていると感じたら意識してやめるようにする。

・夜間に歯ぎしりをしている場合には、ナイトガード(マウスピース)を使う。

ナイトガードとは歯全体を覆う形をしているため、歯ぎしりによる歯への局所的

な負担を分散することができます。👍

また、ナイトガードの材料は天然歯と比較し柔らかいため、歯がすり減るよりも

先にナイトガードの方がすり減っていきます。

その結果、歯ぎしりによって生じていた歯の痛みがやわらいだり、歯のすり減り

が進行しにくくなります。

そんなナイトガードには主にソフトタイプとハードタイプの2種類があります。

○ソフトタイプはシリコーンのような柔らかい素材でできており、以下の特徴があ

 ります。

・向かい合う歯と噛みはするが、厳密な咬合は付与しない。

・柔らかいためすり減りやすく、穴が開きやすい。

 穴が空いた場合は修理ができず、再製作が必要となる。

・柔らかさもあり、違和感は比較的少ない。

・装着する歯列(上顎または下顎のどちらか)のみの型取りだけで済むため患者

 の負担等が少なく済む。

・柔らかい素材のため、逆に噛む力が大きくなってしまう場合が稀にある。

○ハードタイプはプラスチックのような硬い素材でできており、以下の特徴があり

 ます。

・前歯から臼歯にかけて同程度の咬合を付与する。

 一定の咬合を付与するため定期的な調整が必要となる。

・ソフトタイプよりもすり減りにくいが、穴が開いたり、割れてしまうこともあ

 る。ただし、割れてしまった場合等状況によっては修理が可能である。

・固く、厚みもあるため(2mm程度)、違和感を感じやすく、慣れが必要

・上下顎の型取りと噛み合わせの確認も必要なため、患者の負担等がソフトタイ

 プよりも若干ある。

・定期的な確認、調整を行わず、偏った咬合のまま使用してしまうと噛み合わせ

 に影響することが稀にある。

以上のように、ソフトタイプ、ハードタイプそれぞれに利点、欠点があり患者さ

ん各々の状況に合わせて選択していく必要があります。🤔

以上、歯ぎしりとその対応についてでした。