エンドペリオ(歯周歯内)病変

みなさん、こんにちは。かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

日ましに春めいてまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

突然ですが、”エンドペリオ病変”という言葉を聞いたことはございますでしょうか。

”エンド”とは、Endodonticsのことで日本語で歯内療法、つまり根っこの治療を意味します。

一方、”ペリオ”とは、Periodonticsのことで歯周病学を意味します。

”エンドペリオ病変”とは、根っこの病気と歯周病が併発した状態のことで、日本語で歯周歯内病変と言います。

本日は、”エンドペリオ病変(歯周歯内病変)”についてお話をいたします。

 

”エンドペリオ病変”は、上述したように”エンド”と”ペリオ”の相互作用を伴うプロセスで、1972年にSimonの分類として以下の5つに分けられました。

① Primary Endodontic lesions

② Primary periodontal lesions

③ primary Endodontic lesions with secondary periodontal involvement

④ primary periodontal lesions with secondary Endodontic involvement

⑤ true combined lesions

 

横文字が多くてすごく難しそうに感じますが…。

一つずつ説明いたします。

 

① Primary Endodontic lesions

これは、簡単に言うと神経のお部屋に感染が起こり、その結果、根っこの先に膿が溜まり、歯肉と歯の隙間=歯肉溝から膿が出ている状態です。Primary=主要な(第一の)、Endodontic=根っこの病気、lesions=領域、と言う意味で、第一に根っこの病気が起こったことによる、エンドペリオ病変のことです。

② Primary periodontal lesions

こちらは、根っこの先まで歯肉の付着が失われている状態ですが、神経が生きている状態のことです。つまり、歯周病が原因でエンドペリオ病変ができた状態です。

③ primary Endodontic lesions with secondary periodontal involvement

これは、適切な治療が行われずに①の状態が長く続いたことにより、二次的に歯周病が起こった状態です。

secondary=第二に、involvement=巻き込まれる、と言う意味です。まず、根っこの病気が起こり、その後、歯周病が行った状態です。

④ primary periodontal lesions with secondary Endodontic involvement

こちらは、歯周病が進行して、根っこの先から感染が起こり、神経が死んでしまった状態です。

⑤ true combined lesions

これは、同時期に歯周病と根っこの病気が存在し両方の病気が進行して、最終的に歯と歯肉の溝=歯周ポケットと根っこの先がつながった状態です。

 

これら①から⑤の分類は、神経の状態と歯周組織の状態との関連を中心に考えられているため、既に神経の治療が行われている歯は対象外となります。

 

いかがでしたでしょうか。”エンドペリオ病変”は、根っこの病気と歯周病が合わさったもので、根っこの治療だけで治る場合や根っこの治療と歯周病の治療が必要な場合、両方の治療を行っても治らない場合など、治療に関しては複雑なケースもあります。

次回は、これら①から⑤の治療法について説明をいたします。

ここまで読んでいただきありがとうございました。