口の中にある「ひだ」のお話

こんにちは!
かさはら歯科医院歯科医師の室月です!最近は本格的に寒さが増し、暖房をつけ始めた方も多いのではないでしょうか。

室内と屋外の気温の変化が著しく変わりやすくなる時期ですので、体調管理には十分に気をつけて過ごしていきましょう!

さて、今日は「小帯」の話です。

「小帯」とは口の中に存在する「ひだ」のことを指します。

口の中に何種類か存在する小帯ですが、それのくっつき方に異常が生じた場合、様々な弊害が起きてしまいます。

今回は小帯はどのような種類があり、付着異常によりどのような弊害が起こるのか、紹介していきます。

①上唇小帯

上唇小帯は、子どもの正中の乳歯と乳歯の間に入りこんでいるひだです。

発育に伴って、徐々に退縮して細く薄くなります。

乳歯が生え始めた頃は、正中に太く存在しており、異常と診断されやすいです。

しかし、乳歯が全て生え終わる頃に正常な状態になると言われています。

上唇小帯の退縮が十分に行われないとき、歯と歯の間が空いてしまう「空きっ歯」になってしまいます。

さらに、ひだによって唇が引っ張られる力が強いため、汚れが溜まりやすく、虫歯や歯肉炎のリスクになることもあります。

処置としては、乳幼児の時の軽微な異常の場合は経過観察を行うことがほとんどですが、小帯のくっつき方の異常により及ぼす影響が大きいと判断された場合は、外科的に切除を行います。

近年では、小帯の外科処置に対してメスだけではなく、レーザーを用いられるようになってきました。

特に子どもでは上唇小帯が太いお子さんは多くいます。

切除するタイミングや、切除適応の症例かどうか、ご心配の方は、遠慮なく我々歯科医師にお尋ねください。

②舌小帯

舌小帯は舌の裏側に存在する小帯です。

通常、舌の発育に伴い、舌小帯は短縮がみられて、細く薄くなります。

しかし、短縮がみられない場合は小帯が太く短いままであり、舌の動かす範囲に制限が生じます。

舌小帯異常の診断の決め手は、舌を突き出したときに、舌の先端中央部がくびれてハート型になるのが特徴的です。

舌小帯異常により引き起こされるものは、発音障害です。

特に舌の動きで発音している、ラ行、タ行、サ行がより顕著に表れます。

また、おっぱいが飲みにくくなる授乳障害や、食べ物を呑み込みにくくなる嚥下障害も引き起こされます。

処置としては、こちらも舌小帯の切開を行います。

なお、切開をした後も、舌の運動訓練や発音訓練が必要となることが多いです。

③頬小帯

一般的には犬歯部から臼歯部の間の頬の粘膜と、歯茎の間にあるひだです。

上唇小帯や舌小帯の異常に比べて、頬小帯の異常は発生頻度は低いですが、異常が起きた場合は周りが不潔になり、歯肉炎を引き起こしたり、場合によっては歯の萌出障害や位置異常を起こすことがあります。

処置としては同じ切開を行われることが多いです。

いかがでしたでしょうか。

特に上唇小帯について、心当たりのあるお子さんも多いのではないでしょうか。

前述した通り、小帯につきましては、治療を行うべき症例、時期、タイミングというものがあります。

不安に思われる方がいらっしゃいましたら、お気軽にお尋ねください。