子どもが歯医者さんを怖がらないようにどのような工夫をしているのか?

みなさん、こんにちは!

かさはら歯科医院、歯科医師の室月です。

以前、子どもは歯医者さんの一体何が怖いのか?というお話をさせていただき、それに対してご家庭でどのように接すれば良いのかということもお話しさせていただきました。

もしよろしければ、こちらの記事もご一読いただけると幸いです。

子どもは「歯医者さん」の何が怖いのか?

さて、こどもの恐怖の対象が分かったところで、我々歯科医師が何を考え、どのようにアプローチしているのかをお話しできればと思います。

まず、アプローチ方法の1つとして、Tell Show Do法があります。

これは、詳しく言うと、

Tell
→治療の際に使う器械、器具や、これから行う診療について、どのようなことをどのように行うか説明する

Show
→実際に治療に用いる器械・器具を見せて、どのように用いるか模型や手指などに使って見せてみる

Do
→話して、見せたとおりのことを鏡で見せながら、実際に行う

といったものです。

どういった器具や材料を治療に用いるかは、大人でも不安に思うことです。

特に子どもは歯医者さんに対して、恐怖や不安なイメージを持っていることが多いです。

これから使う道具は、恐怖や危険に感じるものではないのだよと事前に見せて、マイナスなイメージを取り除く、あるいは安心感を持って治療に臨んでもらうための方法です。

しかし、この方法を使う時は注意が必要です。

このTell Show Do法は、話して、見せて理解させて実施する方法であるため、ある程度言語能力がある3歳以上の子どもへの適応が望ましいと言われています。

逆を言うと、年齢が低い子どもに対しては、ゆっくり丁寧に1つ1つ説明して行うよりも、素早く治療や検診を行った方が、結果的に診療時間が短くなり、お子さんの負担が減るという考え方もあります。

そのため私は、治療や検診を行う際は必ずお子さんの年齢を確認するようにしています。

1人1人、その場に合ったアプローチをしていくことが大切になってくるのです。

また、アプローチ法の1つとして代用語の使用があります。

代用語とは、歯科の器具や材料を子どもが分かりやすい言葉で言い換えたものです。

例えば、私が個人的に使っている代用語は……

「タービン」→「お水で歯を洗う機械」
「コントラ」→「ゴトゴト電車さん」
「エアー」→「風さん」
「注水器」→「お水さん」
「表面麻酔」→「歯に塗るクリーム」
「局所麻酔」→「モヤモヤお薬さん」

などがあります。

この道具にはこの言葉が正解というものはなく、そのお子さんに合った言い方をすることが一番です。

…………以前、お子さんを検診している時に、水やエアーを用いる際に、

「水の呼吸!!風の呼吸!!」

と代用語を使っていたら、子どもから「え?」という顔をされてしまいました。

それ以降、自分の中でその代用語を使うことはなくなりました笑

いかがでしたでしょうか。
アプローチ法はこれだけではなく、まだまだ多くあります。

今後も、お子さんが持っている歯医者さんに対して不安や恐怖の気持ちを少しでも除去して、円滑に治療が進められるように工夫をしていきたいと思っています!