入れ歯の洗浄について

 こんにちは。
 かさはら歯科医院、歯科医師の角田です。
 8月も終わりますが、仙台も未だに暑い日々が続きますね。日中は院内にいる分、暑さとはあまり無縁な日々を過ごしていますが…夜に寝苦しいのは勘弁して欲しいものです。
 さて、今回の歯の豆知識では、入れ歯の洗浄について書かせて頂きます。
 入れ歯を使っている方は、歯磨きだけではなく、入れ歯の清掃も口腔内の環境を清潔に保つ為には非常に重要となります。入れ歯を清潔に保つ事で、誤嚥性肺炎や入れ歯による口内炎の予防が出来るとされています。
 入れ歯の洗浄には、大きく分けて2つの方法があります。1つ目は、歯ブラシや、超音波で機械的に汚れを除去する方法。2つ目は入れ歯洗浄剤を用いて汚れを除去する化学的洗浄法です。ただ、入れ歯の洗浄はどちらか一方のみを行えば良いという訳ではなく、両方の方法を使う事で更なる効果が期待できます。
 また、入れ歯洗浄剤には、様々な種類があります。過酸化物系、酵素系、次亜塩素酸系…など挙げれば把握が出来ない程ですが、今回はその内でも、ドラッグストアなどで簡単に購入でき、広く使われている過酸化物系、酵素系、次亜塩素酸系の3つについて、その長所や短所、特徴を書かせて頂きます。
・過酸化物系
 入れ歯洗浄剤の中では最も使われている発泡タイプです。汚れや着色を落とす効果は優れていますが、次亜塩素酸系と比較するとその効果は弱いです。短所としては、部分入れ歯の金属部が変色する可能性があります。
・酵素系
 酵素でタンパク質を分解する為に、食渣の分解や脱臭に効果があります。また、カンジダ菌に対して高い効果を持ち、口内炎を予防します。デメリットとしては汚れや着色を落とす作用がありません。
・次亜塩素酸系
 入れ歯の殺菌、漂白に関して非常に高い効果を表します。しかし長時間洗浄する事で義歯を痛めてしまう可能性があります。
 入れ歯の洗浄剤において、汚れや着色、菌や臭い全てに対して効果があるものはない為に、主とする目的に応じて、入れ歯洗浄剤を使い分ける事が重要となります。普段の洗浄には酵素系、週に一度は次亜塩素酸系、といった使用をされる事で、入れ歯を清潔に保ちやすくなります。
 最後に、当院で扱っている入れ歯洗浄剤についてです。当院では入れ歯洗浄剤としてフィジオクリーンキラリを扱っています。先に述べた分類では過酸化物系に分類され、ヌメリや汚れ、臭いを除去する効果があります。また、義歯の金属部分に対しても変色効果は抑えられている為に、部分入れ歯にも使用する事が出来ます。