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第10回口腔解剖学講座『下顎骨の構造』

こんにちは、かさはら歯科医院の歯科医師、関です。
6月も終わりを迎えて、短い梅雨も終わり、夏の訪れを感じる暑い毎日ですね。

さて、今回のテーマは、前回の上顎骨の構造に引き続き『下顎骨の構造』です。

○下顎骨
下顎骨は上顎骨と対になる骨であり、頭蓋骨の顔面骨の中で最も大きく強靭な骨です。他の頭蓋骨と異なり、隣接する骨との縫合がなく、顎関節と下顎骨に付着する筋肉により宙ずりになっています。大きく分けて、正中をまたぎ水平にU時に曲がっている下顎体と、その両端に上方に伸びる下顎枝の2つからなります。

①下顎体
【外側面】
下顎体外側面正中には前面にオトガイ隆起と呼ばれる隆起があり、その外下方には1対のオトガイ結節と呼ばれる高まりがある。オトガイ隆起と左右のオトガイ結節により三角形状の突出であるオトガイを形成します。オトガイは哺乳類でヒトのみに存在する構造です。
オトガイは犬にも猿にもありません。
第二小臼歯の下方の外側面には、下顎管を通り体表に出るオトガイ神経・動静脈の開口部であるオトガイ孔がみられます。

【内側面】
内側面は左右に凹の構造をしています。正中には左右2つ並んだオトガイ棘と呼ばれる1対の膨らみがあります。
また、内側面には筋肉や神経などの収まるための凹みや膨らみが多くみられます。顎二腹筋前腹のための二腹筋窩、顎舌骨筋の起始である顎舌骨筋腺、舌下腺のための舌下腺窩があります。
【歯槽部】
下顎体の上部の、上顎骨の歯槽突起に対応する部分で、下顎の歯が釘植し下顎歯列弓をつくります。

②下顎枝
下顎枝は、四角形に扁平で上方に2つの突起があります。
【外側面】
外側面表面は平らで、そのほとんど全面に咀嚼筋である咬筋が付着します。
【内側面】
内側面の中央には、下歯槽神経・動静脈が入り込む下顎孔と呼ばれる穴があり、その周囲には下顎小舌という隆起がみられ顎関節の靭帯である蝶下顎靭帯が付着します。その後下方には顎舌骨神経・動静脈の通り道である顎舌骨神経溝が前方に走り、さらにその後方には内側翼突筋の付着部位である翼突筋粗面がみられます。

【突起】
下顎枝上端には前方に筋突起、後方に関節突起と呼ばれる2つの突起があります。筋突起と下顎突起の間の深い凹みは下顎切痕と呼ばれます。
前方にある筋突起は、薄く扁平な三角形をしており、咀嚼筋の1つである側頭筋の付着部位です。後方にある関節突起は円柱状に厚みがあり、上端は顎関節を構成する下顎頭と呼ばれる楕円形の塊があり、その下は下顎頸と呼ばれる細いくびれがあります。下顎頸の前面は、外側翼突筋の付着部位である翼突筋窩という窪みがあります。

このように、骨にはその骨が機能するための特徴的な構造や、筋肉が付着することによる高まり、神経血管が通るための穴・溝などそれぞれ複雑な構造がみられます。

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