歯茎の変色

歯科医師の鈴木 敬です。
台風がまた接近していますね。くれぐれも気をつけて皆さんお過ごし下さい。
今回は歯茎の変色についてお話しします。
種類がいくつかあります。
A) 喫煙によるメラニン色素沈着
皮膚や粘膜の中にはメラノサイト(色素細胞)と呼ばれる細胞があります。
日焼けで肌が黒くなるのは、紫外線の害から守ろうとしてメラニン色素が作られて起こります。
同様に、喫煙の有害物質から歯茎を守るためにメラニン色素が作られ黒くなると言われています。
B) メタルタトウー
被せ物をしている歯茎の縁だけが黒くなっています。金属が使われているとそれがイオン化して溶け出します。また、差し歯を入れるために削って形を作る際に、金属の粉が歯茎に入り込んで黒くなる場合もあります。
C) 歯根変色による歯茎の変色
歯茎自体が黒いわけではなく、根に使われている土台の金属が透けて見えている状態です。
他に、腫瘍などがあります。
それぞれの治療法ですが、
A) まずは、禁煙をオススメします。そうすることで期間はかかりますが改善が見られる事が多いと思います。
B) 基本的には原因を取ってしまう事が最善です。金属の粉が入り込んでいる場合は、部分的に歯茎を切除することを検討します。金属が含まれる被せ物をしていることが根本の原因ですので、セラミックなどの被せ物に変えることで改善されていきます。
C)土台に金属が使われているため起こる事ですので、別の材料に変えて被せ物まで治療していきます。土台を変えれない場合は外科処置を歯茎に行なうこともあります。
他に、薬剤やレーザーを用いた治療もあります。
また、被せ物の治療をして何年か経つと経年的変化で歯茎が下がり、被せ物の際が見えてしまうことがあります。また、そのことを悩まれている方も多いのではないでしょうか。
歯茎の変色とはやや違う問題ではありますが、その場合は、被せ物の種類を変えるなどして対応できる事が多いのではないかと思います。
話を戻しますが、歯茎の変色の悩みは、個人によって状態が異なります。
歯茎が厚い、薄いといった違いでも変色が起こりやすい、そして、歯茎が下がりやすいなど今後の変化も考えていく必要があります。
ですので、診断が大切であり、検査は必須かと思います。
もし腫瘍などであった場合には一度専門の口腔外科で診ていく必要があります。
変色といっても様々な理由がありますので、何か不安なことなどあれば気軽に聞いて下さい。