義歯の洗浄剤について

こんにちは。歯科医師の高橋です。
今回は、義歯の洗浄剤について説明していきたいと思います。

まず、義歯(入れ歯)の種類はいろいろありますが、おおまかに入れ歯の部品に、口腔内に接する部分に金属がついているか?いないか?によって洗浄方法が変わってきます。

義歯のバネの部分が金属のものは、保険内での部分入れ歯が主であり、その他には、保険外の「金属床」といって、それも部分入れ歯があります。

そして顎の部分を全部覆うタイプの入れ歯を、「総義歯」と呼び、それも保険外で金属が入っている義歯を「総義歯の金属床」と言います。

保険適用外である「金属床」には、いろいろなタイプがあり、使用されている金属も材料も、製作した歯科医院によって様々です。
ちなみに保険内の部分入れ歯の金属のバネもその歯科医院によって保険適用の範囲で種類や組成が違ったりします。

金属の入っていない義歯は、保険内の顎全体を覆う「総義歯」か、保険外の「ノンクラスプタイプの義歯」かどちらかになります。

ここで注意してもらいたいのが、「金属床」とは、表面や裏側に金属が露出している形態のもののことを言います。

義歯の破折を防ぐ意味での金属を義歯内面に埋め込んでいるタイプのものは、「金属床」ではなく、その埋め込まれた金属は「補強線」などと呼び、
これは、「金属床」の部類には入りません。
金属アレルギーの患者さんなどは、全く金属が入っていないか、補強線が入っているタイプの義歯になるはずです。
あるいは、その患者さんにとって、アレルギー反応のない金属を使用しているかです。

つまり、部分入れ歯でも総入れ歯でも、金属の入り方によって洗浄方法が違ってきます。

まず違うのが、入れ歯洗浄剤の種類です。これは「部分入れ歯用」と「総入れ歯用」に分かれますが、
実はほとんどの患者さんは、あまりその表示を確認せずに、薬局や歯科医院で購入される方が多いようです。

一番多いのが、部分入れ歯を使用していて、総入れ歯用の洗浄剤を使っているケースです。
その多くは入れ歯のバネが早期に変色をしてしまったり、金属の劣化が引き起こされてしまう可能性があります。
ですからご自身の入れ歯の金属劣化を起こしたくないのであれば、「部分入れ歯用」の洗浄剤を使用してください。

そして、口腔内に接する部分に金属がなければ、「総入れ歯用」の洗浄剤を使用してください。

また保険外の義歯は、それぞれ専用の義歯洗浄剤があるので、それを歯科医院で購入するのをおすすめします。
なぜなら、大体のケースで薬局やインターネットでそれと同じものを見つけることは、非常に困難であることが多いからなのです。