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第9回口腔解剖学講座『顎骨の構造』①

みなさんこんにちは、かさはら歯科医院の歯科医師、関です。5月も終わりに近づき、日中暑い日も多くなってきましたね。

 

さて、今回の口腔解剖学講座のテーマは、顎骨の構造です。

顎骨は歯を支えている骨で、上の歯を支える上顎骨と、下の歯を支える下顎骨があります。

今回は2つの顎骨のうち上顎骨の構造について紹介したいと思います。

 

○上顎骨

上顎骨は、顔面の中心の大部分をなし、左右対称に1対2個存在し、正中で癒合している骨です。上顎骨の構造は大きく分けて上顎骨体とそれに付随する前頭突起、頬骨突起、口蓋突起、歯槽突起の5つに分けられます。

 

①上顎骨体

上顎骨の構成部位のうち前頭・頬骨・口蓋・歯槽の各突起を除いた上顎骨の大部分です。

内部には上顎洞とよばれる空洞があります。

上顎洞は副鼻腔と呼ばれる鼻腔に通ずる空間の1つです。上顎洞は副鼻腔の中で最も大きく、上顎骨体内側面にある上顎洞裂孔(自然孔)により鼻腔のうちの中鼻道に開口します。

上顎洞下底の骨は薄く、特に上顎大臼歯の歯根とはかなり近接しており、歯の疾患により上顎洞の炎症招くことがあります。

 

上顎骨体の上縁は、眼球が収まる眼窩という窪みの下壁をなします。その後部には前後に走る眼窩下溝と呼ばれる溝があり、骨内に前下に進み眼窩下管となり、眼窩下孔として骨体の前面下部に開口します。これは、眼窩下神経・動静脈の通路であり、上顔面に分布します。

 

②前頭突起

上顎骨体の上内側前方の隅から上方に伸びる突起で、鼻骨、涙骨、前頭骨と接します。前頭突起は外側壁で眼窩、内側壁で鼻切痕の構成の一部となっています。また、後面から内側下部に向かい涙嚢溝が縦走し、涙と鼻腔への通り道である鼻涙管の外壁も担います。

 

③頬骨突起

上顎骨体の外側から外側方に伸びる突起で、頬骨の上顎突起と接し咬筋の付着部位である頬骨弓をつくります。

 

④口蓋突起

上顎骨体の下面から内側方に伸びる水平で扁平な突起です。正中は対側の口蓋突起と接し、後端は口蓋骨の水平板と接し、骨口蓋を形成します。これにより口腔と鼻腔は隔てられ、口腔の上壁と鼻腔の下底を担います。また、口蓋骨とともに大口蓋神経・動静脈の通る大口蓋孔をつくります。

 

⑤歯槽突起

上顎骨体の下面から連なる前方に凸面をなす鉄蹄のような形状の突起です。歯槽突起には上顎の歯が釘植し上顎歯列弓をつくります。その後端には疎な骨面の上顎結節、正中には鼻口蓋管神経・動静脈が通る切歯管があります。

 

以上、今回は顎骨のうち上顎骨の構造について紹介しました。次回は、下顎骨の構造について述べたいと思います。

 

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