シアトルへ

歯科医師の鈴木敬です。今回はシアトルにて勉強してきたことを書きたいと思います。
アメリカ本土へ行くのは初めてだったので期待と緊張を胸に行きの飛行機に乗り、充実感と時差ボケがある中で帰りの飛行機に乗ってきました。3泊4日でしたのであっという間でした。シアトルは西海岸に位置し気温も仙台より暖かいので住みやすい気候です。着いた日は28度近くてこんなに暑いのかと思いましたが、現地の方に伺ったらまれだったようです。
2日間で解剖学を基礎から学ぶことができました。アメリカでは日本と違い亡くなった御献体で実習、解剖を行う事が出来るのです。日本では倫理的なものもあるためできません。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、学生時代に医学部同様に歯学部でも全身の解剖を行います。解剖では一般的に、神経、血管の走行、骨の構成、筋肉の付着などを学びます。ですが、基本的に早い学年で学習する内容ですので、臨床を経るとさらに詳しく学ばないといけない分野になるかと思っています。日本では、大学の講座に残るのを除けば学生時代に行う以外出来ないのです。
Seattle Science foundation に勤務されている岩永譲先生から教えて頂きました。
講義と実習の充実した時間でした。このコースは治療を行う視点から注意すべき神経、血管を自分で解剖し、確認しながら行う事が出来るのです。ベーシックな内容からアドバンスまで網羅されていたので、どの人にも得る事があったと思います。今後、学習していきたい内容、分野にも通じることがありました。血管の走行などを直接みて、イメージ出来ることはなかなかない経験でした。文字通り、「百聞は一見にしかず」だなと感じることができました。
さらに、学生時代には教えてもらっていない新しい事も教えていただきました。
今回私は基本的な事柄も勉強になりましたが、特に印象に残っている事は、上顎洞、つまり、頬のあたりにある空洞の解剖です。インプラント埋入をする時に骨が足りない場合、人工骨で厚みを増やす事で治療が可能になります。サイナスリフトと言いますが、治療の幅を広げる為にも大変勉強になりました。
今回のセミナーを通して得た知識、経験を患者さんに還元することと今後も研鑽を積みたいと思います。次回もまた行けるように今回得た知識をしっかり落とし込み、新しい疑問点を持って繋げて行きたいと思います。
また、この機会を作って頂いた理事長、不在中も勤務して頂いた先生方、スタッフに感謝したいと思います。ありがとうございました。