親知らずについて

歯科医師の鈴木敬です。
今回は親知らずについてお話しします。
親知らずが痛くなることって結構あります。私も学生時代に先輩Drに抜歯してもらった経験があります。何度か腫れて薬を飲んでを繰り返してましたので決心をし、抜いて頂きました。同時ではないですが、左上と右下の親知らずです。上はあっさり抜けてこれなら下もいけるなと思ったのですが…。下は横に向いていて歯茎の中に埋まっているものだったためなかなか大変でした。麻酔が効いていたので痛みはまったくなかったのですが、顎が疲れてしまい「休憩していいですか」って言ってしまったのを覚えています。先輩には申し訳なかったですが。ただ抜けた後は特に腫れもなく順調で経過も良く先輩に感謝です。
では、親知らずって何?からお伝えします。
・上下14本合計28本がまずあるべき本数です。それより多い場合は親知らずになります。つまり、上下左右一番奥にある歯のことになります。もちろん、生える人もいればそうでない人もいます。ちなみに私は左上と右下だけでした。
次に、あれば何か問題が起こるのか?です。
・直立して上下噛み合っている人もいます。その場合は、私は残しても問題ないかと思います。ただ、虫歯になってしまった場合は別ですが。
・親知らずはいろいろな向きに生えたり、歯茎に埋まっていたり、人それぞれです。ですので、歯茎が少し被っていたりすると汚れが溜まって腫れ、痛みを生じます。やはり奥なので汚れが取りづらいのが原因だと思います。
・汚れが溜まり易いので手前にある歯を虫歯にしてしまう可能性があります。
・そしてもちろん虫歯になりやすいかと私は思います。
そして、抜いた方がよいのか?です。
・基本的には抜いてしまった方がまた腫れたりする可能性がないので後々楽かなと思います。
・ただし、下の顎には神経や血管が入っている太い管があり、親知らずはそれに近いことがあるのでレントゲンなどで確認は必須です。上の親知らずも上顎洞という空洞に近いので注意が必要です。
・難しい場所にある場合は口腔外科に紹介して抜いて頂くこともあります。
・抜いた後は腫れる可能性があるため、抜く日はよく考えて頂くとよいと思います。
・女性の場合、妊娠される前に抜くとよいと言われています。痛くなれば薬を飲んで頂くのですが、その時期に飲むことに抵抗があるかと思います。そうなる前にということになります。
最後に、ご自身の歯ですので残すにしても、抜くにしてもよく考えて治療を受けて頂ければと思います。他にも不安なところもあるかと思います。その時は遠慮せず聞いて頂ければと思います。