セミナーに参加しました!

こんにちは、歯科医師の平山です。

先日、エンドのセミナーに参加してきました。そこで聞いた話の一部を紹介したいと思います!

Endodontics(エンドドンティクス)とは日本語では歯内療法学といい、歯の治療のうち歯の神経(歯髄)に関連する学問になります。虫歯(う蝕)が進行し感染が歯の神経まで到達したり、歯の破折など何らかの原因で歯の神経が炎症を起こしてしまった場合は歯の神経の処置が必要になります。

通常生体に炎症が生じると炎症の5徴候と言われる徴候が生じます。
炎症の5徴候
1 発赤
2 熱感
3 腫脹
4 疼痛
5 機能障害

しかし、歯髄は歯質という硬組織の中に存在しているため私たちはこれらの徴候のほとんどを実際に目で見て確認することはできません。歯髄の炎症状態を正確に診査・診断していくことがとても重要です。先程お話した炎症の5徴候のうち私たちが多く参考にするのが疼痛です。問診や口腔内の診査などでどのような痛みなのか疼痛の症状はもちろん、歯の動揺や歯周ポケットなど様々な診査を行い、さらにX線診査を行いこれらの情報を用いて歯髄の状態を診断していきます。

一過性の疼痛で、刺激を除去すれば症状が落ち着いてくるものであれば歯髄を温存することができますが、刺激を除去後も痛みが持続したり歯髄壊死している場合などは歯髄の処置(抜髄)が必要となります。抜髄では歯髄の入っている根管を拡大、洗浄、貼薬し、その後根管充填剤と言われるものを充填していきます。とはいえ歯髄は最高の根管充填剤と言われておりなるべく歯髄は温存できることが望ましいです。定期的に歯科に受診し歯髄の処置に至る前に対処していくことはとても大切なことです!

歯髄の処置を行うときはなるべく無菌的状況で治療を行っていくことが治癒率の上昇につながります。口腔内は無数の常在菌が存在し、さらにう蝕などで歯髄に細菌感染を起こしている場合など現実的には全く無菌の状態で治療を行うことは難しいですが、なるべく可及的に無菌的な状態で治療を行う事はとても大切です。その手段の一つとしてラバーダム防湿という方法があります。

ラバーダム防湿とはゴム製のシートを用いて治療する歯を隔離する方法です。先日のセミナーではラバーダム防湿は唾液の侵入を防ぎ患歯の治療中の感染を防ぐ方法として有効な手段として紹介されていました。

また歯髄の形態は非常に複雑な形態をしており、歯内療法を行なっても治癒しないケースもあります。そのような症例には外科的歯内療法と言われる治療が適応になることがあります。

今回、このセミナーを受けとても勉強になることが多く聞け、さらに得た知識を日々の診療に活かせたらと思いました!