家族の口の中を見たことがありますか?

こんにちは!受付・TCの西田です!
日に日に寒さが増してきましたね。皆様、体調を崩されていませんか? 西田は何年風邪をひいていないのか、記憶にもないくらい健康です!
ところで、皆さんは「家族のお口の中」を見た事がありますか?
小さな子どもであれば、お母さんや周りの大人が見てくれる機会は多いですね。でも、仕上げ磨きを終了する小学校高学年以上になってくると、家族からお口の中を見られる機会はぐっと減りますね。 まして大人になってから、家族に口の中を見せたことはありますか? お父さんやお母さんなど、家族の口の中がどのようになっているのかを知っている人は多くはないと思います。 カウンセリングで中年代の方に「親御さんのお口には入れ歯が入っていますか」という質問をした事があります。 入れ歯が入っているけど、どんな形?までは知らない・・ 自分の歯なのか入れ歯なのかすらわからない・・ 何歳から入れ歯何だろう・・と、じつに様々ですが、正確な情報を認識している方は本当に少ないようです。
何をかくそう、私自身も要介護状態である父親の口腔内がどんな状態なのか知ったのは、この仕事をはじめてからですね。 こんなに歯がなかったんだ! これでどうやって噛んでいるんだろう・・驚きと共に、高齢者の口腔機能について興味を持つきっかけになりました。
先日、東京医科歯科大学大学院 地域・福祉口腔機能管理学分野 教授の古屋純一先生を招聘し、
「高齢者の食を支援する総義歯補綴と摂食嚥下リハビリテーション」について学ばせていただく機会がありました。 現在、厚生労働省は、多職種が連携し(医師・理学療法士・看護師・社会福祉士・栄養士・歯科医師・歯科衛生士・・・など)地域包括ケアシステムの構築を目指しています。これは、「団塊の世代が75歳以上になる2025年を目途に、重度な要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続ける事ができるよう医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制の構築を実現する」というものです。(厚生労働省HP 「地域包括ケアシステムにおける歯科保健医療の役割について」より抜粋)
この取り組みの中で、「歯科」ができることは少なくありません。 歯周病と全身疾患の関係性や摂食嚥下機能(口から食べる機能)の低下により起こりうる様々な弊害、誤嚥性肺炎を防いでいくための口腔ケア、口腔機能訓練・・そして、人としての尊厳・人生の楽しみを感じる「食事をする」という行為に対する支援は、我々歯科医療従事者が、できる最大のサポートであると思います。 古屋先生の講義の中では、「元気なうちに良い治療と良いケア」を受ける事、「病気になっても口から食べる」ことの大切さについてお話しされていました。
人が、食事をする際は「目で見て、口に取り込んで、噛んで、舌で送り込んで、ノドで飲み込む」という一連の流れで成立しているそうです。 咀嚼(噛む事)ができない、ノドに送り込む機能が低下している(舌が動かせない)などの口腔の問題と咽頭での食物が入ってきた際の反射(嚥下反射)が起きないなど咽頭の問題の2種類があり、それらがうまく生じることで、気道に食べ物や水分が入り込んで起こりうる「誤嚥」は、誤嚥性肺炎という病気につながる危険な状態です。
また、講義では、義歯(入れ歯)を作る過程において重要なポイントについてお話がありました。
普段から診療室で、合わない入れ歯で不便を感じている患者さんや噛めるようになって、とても喜んでおられる患者さんを目にします。義歯は既製品ではなく、お一人お一人のお口に合わせたオーダーメイド品です。
印象(型取り)、咬合、調整など細部まで綿密な設計と技術で作られる職人技だと感じます。 歯科で働く人間として、「美味しく食事をし、人生を楽しむ事ができる」ようサポートさせていただきたいと改めて強く感じました!

(厚生労働省HPより)